今日はちょっと軽めに。
聞く側の集中を持続させるには
- 常に集中させることは無理
- 起伏をつけよう
常に集中させることは無理
今までになんども書いたように、発表のつかみは非常に大事です。
つかみ如何で聴衆の興味を引くことができ、発表に集中して聞いてくれるようになるはずです。
しかし、その集中を右の図のように発表の最後まで持続させることは、無理というものです。
どんなにおもしろい発表でも最後まで集中して聞いてもらえるなんて夢のまた夢です。
実際は集中度は時間と共に下がっていきます。
右の図ではリニアに下がっていってますが、もしかすると n 次曲線で下がっていくかもしれません。
そうなるともう笑い事ではすまなくなってしまいます。だれも聞いてくれないのですから。聞いてくれなければ、いかにすばらしいコンテンツだとしても誰も理解してくれません。
発表者は、この下がっていく集中度をどうにかしてもう一回あげるように努力しなくてはなりません。
下がるのはしかたがないとして、間にコブを作りたいものです。発表時間にもよるのですが、少なくとも 1 コブ、できれば 2 コブぐらい。
それじゃ、どうすればコブができるのか。
起伏をつけよう
まずは単にだらだらと発表するのではなく、流れを意識することからはじめましょう。
たとえば
- 起承転結
をつけてみるのです。起承転結がすべてに適しているとは思いませんが、何もないよりはぜんぜんましです。
今まで何度もつかみ、つかみといっていたのは起承転結でいうと起にあたりますね。
こういうことは一般のプレゼンの参考書などでいくらでもでてくるので詳細は省きますが、うまくいけば転の部分でコブができるはずです。
それではどのようにして、転を作りだすか。
私がよく使う手は具体化です。
システムやアルゴリズムを説明していると、得てして抽象的な話が多くなってくると思いませんか。時として抽象的な概念は非常に役に立つのは確かです。
しかし、抽象的なことは理解できればいいのですが、理解しにくいのも事実だと思います。
そこで、具体化するわけです。
たとえば、実験とその結果を見せるなどです。
具体的なものがなければ、メタファを探ってみましょう。
メタファとは XP のタスクにもなっていますが、より具体的なことで物事を説明するということです。
より至近な例を使うことによって、容易に説明できるかもしれません。
そして、具体化の最も有効なのはデモです。何か実際に動くものを見せるということですね。
それまでぜんぜん分からなくても、デモを見ると分かったような気になるものです。
しかし、何をやっているのかぜんぜんわからないデモもよくありますね。
デモをするならば、デモのシナリオをまず作りましょう。そしてシナリオにそってお膳立てをしておきます。
たとえば、複数のアプリケーションを起動するならば、それをバッチ (シェルスクリプト) などに記述して、デスクトップに貼っておきましょう。いちいち DOS 窓をあけて起動するなんてダメです。
あとは、デモのするアプリケーションが見やすいものかもう一度確認しましょう。フォントが小さくて、何も見えないなんてことはよくあります。
「小さくて申しわけありませんが...」といいわけをする前にフォントを大きくしておきましょう。
シナリオになんらかの流れがあるようであれば、デモをする前にそのシナリオを説明しておくとデモが分かりやすくなります。
気をつけるべきことは、デモは魔物であるということです。
どんなに準備を万全にしたとしても、突如として動かなくなるというのがデモです。
デモは動かないことがあるということを想定しておかないと、頭が真っ白になってしまいますよ。
デモが動かない時のために画面をキャプチャしておくとか、何らかの用意をしておきましょう。
動かないからといって、何度もやり直すのは時間の無駄です。
貴重な時間なのですから、あきらめることも念頭においておきましょう。