というわけで、もう一回 Salon Du Chocolat へ。
運よくテオブロマの土屋さんのセミナーを聞くことができました。
テオブロマは思い入れがあるのです。というのも、チョコレートは新鮮なものほどおいしいというということを知った店だからなのです。
できたてのボンボンを買って、その場ですぐ食べるというのが究極の食べ方ですね。小田急沿線に住んでいるので、渋谷にいくときに時間があると代々木八幡から歩いていくことがよくあります。
そんなときにテオブロマでボンボン、それもトリュフを買って、歩きながら食べるということをよくやります。おいしいですよ。
テオブロマの土屋さんは日本を代表するショコラティエです。
トリュフのバニーユを作りながら、ショコラについていろいろ語ってくれました。
それを聞いて私が思ったのは「ショコラ作りは化学だ」ということ。話の中で何度も出てくるのが、結晶という言葉。結局、ショコラというのは結晶であり、如何に美しく結晶させるかがショコラティエの腕の見せ所となるということです。
テンパリングもそういう観点から見るととても納得できるものでした。急激に冷やしてしまうとアモルファス状態になって、つやも口当たりも悪くなってしまう (土屋さんはアモルファスという言葉は使いませんでしたが)。ゆっくり結晶を成長させていくことでおいしいショコラができあがるのだそうです。
そのためにテオブロマでは 18℃の部屋を用意してあり、丸一日かけて温度を下げていくのだそうです。
ついでにボンボンを作る工程は 1 週間にも及ぶのだそうです。それだけ手間がかかっているのですね。
ところで、ショコラもかびるのだそうです。
ただ、かびても見た目が分かりにくいし、ショコラの味が強いのでかびていることに気がつかないことがよくあるらしいのです。でも、黴は黴です。今までに黴が原因で日本から撤退したメーカもあったらしいです。
このため、防腐剤を入れているメーカも結構あるとのこと。テオブロマでは一切防腐財を使用していないらしいのですが、だいたい賞味期限が妙に長いものは防腐剤が入っていると考えて間違いないそうです。
聞いている人は質問がとても専門的だったりして、私みたいな素人とは思えないような人ばかり。パテシィエの卵のような人が多いのだと思います。
こういう話をトリュフを作りながら話されるのですが、作るのはかなり苦労されていました。というのも、ステージがライトに照らされていて熱いということと、いつも使っている器具と違うので慣れていないからです。
特に電磁調理器に苦労されていたようで、なかなかテンパリングに苦労されていました。
最後にできあがったトリュフの試食。やっぱりできたてはおいしいです。
セミナーが終わったあとに、土屋さんの本を売るというではないですか。今まで、買うのを迷っていたのですが、思い切って買ってしまいました。サインもしてもらったし。
それにテオブロマでテオというタブレットを売っているのですが、それが土屋さんが飼っている犬のことだということも教えてもらいました。知らなかったなぁ。