10月2日から6日にかけて開催されたJavaのカンファレンスであるDevoxx Belgiumに参加してきました。
今後 Devoxxに参加してみたいという方に向けて、Devoxxへの参加方法などをまとめておきます。
Devoxxとは
Devoxxはヨーロッパを中心に開催されているJavaのカンファレンスです。
もともとはベルギーで始まり、そこからフランスやイギリスなどでも開催されるようになっています。
その中でも、ベルギーのDevoxxは規模が一番大きく、約3,000人の参加者がいます。この3,000人は会場の広さによるものですが、会場を変えるつもりはないらしいので、ずっと3,000人のままです。
JavaOneがシュリンク状態なので、現状では世界最大のJavaカンファレンスです。
スピーカーだけでも200人以上、初心者向けから上級者向け、またJavaだけでなくチームビルディングなどのセッションもあります。なお、セッションはすべて英語です。
今回のDevoxxベルギーは10月2日から6日まで開催されました。
ベルギーといっても会場は首都のブリュッセルではなく、アントワープになります。
アントワープというのは英語読みで、オランダ語だとアントウェルペンです。
ベルギーは南側がフランス語圏、北側がオランダ語圏、西側にちょっとだけドイツ語圏があります。アントワープはベルギー北部で、オランダ語圏になります。
今年は、Devoxxベルギーがちょうど20回目の開催です。コロナの時に開催しなかった期間がありますが、長く続いているカンファレンスです。
Devoxxベルギーは会期が5日間で、月曜から金曜まで。
1, 2日目はDeep Diveという3時間のチュートリアル的なセッションです。
3日目から5日目までが通常のセッションです。こういうカンファレンスはだいたい最終日は早く終わるのですが、Devoxxも最終日はほぼ半日です。
チケット
Devoxxは人気のあるカンファレンスですが、参加者数が3,000人と限られているため、チケットは争奪戦になります。
例年、2回に分けてチケットが販売されますが、今年はちょっと違っていました。
チケットの種類と価格
チケットは3種類あります。価格は今年の価格で、もちろんユーロです。
- Deep Dive €400
- Conference €650
- Combi €975
Deep Diveは前半2日間のDeep Diveだけに使えるチケットです。
次のConferenceが3日目からの一般のセッション、CombiがDeep DiveとConferenceの両方を聴講できるチケットです。
日本から行くのであれば、Deep Diveだけ聞くというのはちょっと考えられないので、Combiがほとんどだと思います。実際、今回日本から参加した4人ともCombiでした。
チケット販売
前述したようにチケットは争奪戦になります。
チケットの販売開始日時はDevoxxのWebサイトに発表されますが、今年は1回目が8月16日、2回目が9月2日となっていました。
ところが、8月16日のチケットがものの数分で売り切れ。
あまりにも早く売り切れてしまったということで、2回目に販売する予定だったチケットもあらかた放出してしまいました。
そして、残ったチケットはなんと抽選制ということに。
来年がどうなるかは分かりませんが、2回あるからといっても、1回目で購入すべきです。しかも、販売開始時間と同時に購入しないと、なかなか厳しいです。
さて、チケットを購入できた場合、料金を払わなければなりません。
なんとDevoxxはクレジットカードに対応していません。使えるのは銀行振り込みのみ。
海外送金になるので、なかなか大変です。
銀行から振り込む場合、事前に登録していないと送金できないところが多いです。
そこで、さくらばは海外送金サービスのWiseを使用しました。
と書きましたが、実をいうとチケットを購入した時はそんなことを全然知らず、あたふたしてしまいましたww
Wiseも西川さんに教えてもらって、やっと送金できたわけです。
来年参加する人は、ぜひ事前にこれらを用意してからチケット争奪戦に参加してください。
というか、Devoxxがクレジットカードに対応してくれればいいんですけどね。
アントウェルペンへ
Devoxxに参加することが決まったら、まずやることは交通手段と宿泊の確保です。
交通手段として考えられるのは次の2手段です。
- 空路
- 空路 + 鉄道
空路
アントウェルペンにも空港がありますが、ほとんどの便がベルギーの首都であるブリュッセル国際空港行きです。ブリュッセル空港からアントワープは鉄道で40分ほど。
現在、日本からブリュッセルへの直行便を飛ばしているのはANAの成田 - ブリュッセル便だけです。
しかし、毎日ではなく、水曜と土曜だけです。
Devoxxに行く場合は、土曜日に日本を出てブリュッセル着、次の土曜日にブリュッセルを出て、日曜に帰国になると思います。
これ以外は、すべて乗り継ぎ。
ヨーロッパだとフランクフルトやパリ (CDG)、ロンドン (ヒースロー) などで乗り継ぐことが多いと思います。他にも、ドバイやアブダビなんて選択肢もあります。
ご自分の使う飛行機会社で決めるか、料金の安さで決めるかはお好みで。
空路 + 鉄道
ヨーロッパは鉄道が発達しているので、陸路でアントウェルペンに行く手段もあります。
フランクフルトやパリで乗り継ぐ場合、乗り継ぎの待ち時間などを考えると鉄道の方が早かったりしますね。
今回、さくらばは飛行機はパリまで、そしてパリからアントワープまで鉄道を使いました。
実際には、パリに2泊してからアントウェルペン入りしました。Devoxxの日程よりかなり早くついたのは、Devoxxに時差ボケで挑みたくないからです。決して、パリでスイーツを食べまくるためではありませんww
さて、鉄道の主な経路としては、以下のような路線があります。
- アムステルダム - アントウェルペン (ユーロスター) 1時間45分
- パリ - アントウェルペン (ユーロスター) 2時間30分
- ロンドン - ブリュッセル南 - アントウェルペン (ユーロスター) 3時間20分
- フランクフルト - ブリュッセル北 - アントウェルペン (ドイツ鉄道) 4時間
パリからだと、ちょうど東京と大阪ぐらいの感覚ですね。
とはいうものの、新幹線ほどの運行本数があるわけではないのは注意が必要です。
いずれもネットからチケットを購入できます。本数が少ないので、チケットはなるべく早く買っておいた方がよいですね。
ちなみに、パリやアムステルダムからアントウェルペンに行く列車はThalys (タリス)の列車でした。
ところが、今年の10月1日からThalyisはEurostarに統合されています。
さくらばはThalysで予約していたのですが、10月1日に移動のためパリ北駅についたらThalysがない!!!
まさか、この日からEurostarになっていたとはまったく知らず、どうしようかと思いましたよ。
ちなみに、フランスの駅は撮影禁止です。この後、駅員さんに撮らないでと注意されました😰
宿泊
空港や他の都市からの鉄道はアントウェルペン中央駅 (Antwerpen Centraal) に止まります。
アントウェルペンは中央駅のある区域と、そこから西へ歩いて30分ぐらいのところに大聖堂のある旧市街があります。そして、Devoxxの会場であるKinepolisは中央駅から北に歩いて1時間ぐらいのところ。
ところが、会場のKinepolisのそばにはホテルがほとんどありません。
ホテルが一番多いのは中央駅のそば。
旧市街にもホテルはありますが、Kinepolisに行くにはちょっと遠いです。ただ、後述しますが、レストランなどが多いのが旧市街。食べるところに近いところで選ぶというのであれば、旧市街もあるかもしれません。
とはいうものの、やはり選びやすいのは中央駅の近くですね。
今回、さくらばはCitybox Antwerpというホテルに宿泊しました。
かなり省人化されており、チェックインもチェックアウトも自動チェックイン機で行い、部屋の清掃もお願いしないとしてくれません。
また、レストランはなく、朝ごはんからランチまで空いているカフェのみ。
こういうこともあって、宿泊費は平日は1泊1万強。ただし、金曜、土曜は値段がかなり上がっているので、税金と合わせると平均で1泊1.5万ぐらいでした。
一緒に行った杉山さん、伊藤さんはB&B Hotel Antwerp Centrumというホテルだったそうです。ここもだいたい1泊1万円ぐらいのようです。
他にも、このレンジのホテルが結構あるようです。
Devoxx会場までの交通手段
前述したように中央駅とDevoxx会場であるKinepolisは歩くと1時間近くかかります。
普通の人はとてもじゃないですけど、歩く距離ではないですね。
会場までの交通手段として考えられるのは以下の3種類です。
- トラム (or バス)
- シェアサイクル
- 電動キックボード
ほとんどの参加者はトラムを使っているようです。
トラムでだいたい20分ほどです。
下の写真がトラムです。
トラムやバスはすべてDe Lijn (フランデレン交通公社)が運航しています。
チケットはDe Lijnのアプリで購入可能。
ちょうど10枚で€17.00の回数券があるので、Devoxxにはこれがちょうどいいと思います。
チケットは1枚ずつアクティベイトして、アクティベイトのあと1時間有効です。さくらばはこれを知らずに1枚無駄にアクティベイトしてしまいました😢
チケットをアクティベイトするとQRコードが表示されます。しかし、これをスキャンする装置はトラム内にはありません。
たまに車掌が検札に来るらしいので、その時に見せるようです。
とはいうものの、私は1度も検札に遭遇したことないので、タダで乗っている人も多いんじゃないかなぁ。
次の選択肢がシェアサイクルです。
ベルギーやオランダは自転車大国。歩道よりも自転車専用路の方が幅が広く立派ですw
アントウェルペンで使い勝手がいいのがVelo Antwerpenというシェアサイクル。街中のいたる所にあり、すぐに使用できるようです。
料金は1日で€5、1週間乗り放題で€12です。
また、電動キックボードはLimeのものが主流のようです。Limeは乗り捨てできるので、便利ですね。
下の写真はKinepolisの近くに停められたキックボード。緑と白のキックボードがLimeです。こんな感じで、いっぱい使われています。
ちなみに、さくらばは行きは歩き、帰りはみなと食事に行くためトラムという感じでした。
Devoxx会場
Devoxxの会場のKinepolisは映画館です。いわゆるシネマコンプレックスです。
そこを貸し切って、イベントの会場にしています。
こちらがシネコンとしての正面です。
街の中心部から離れているので、車で来るようなところ。そのため、シネコンの正面は車寄せになっています。
しかし、こちらからは入りません。
裏側に回ると、下の写真のようにKinepolis Event Centerという入り口があります。そちらが、Devoxxの入り口です。
とはいっても、中に入れば映画館そのままです。
セッションの資料は映画のスクリーンに投影されるので、広く、コントラストも高く、とても見やすいです。
また、映画館なので席は傾斜がつけられており、後ろの方でも前の人が邪魔で見えないなんてことはありません。
シートも立派なので、とても楽。ただ、このシートがよすぎて、時差ボケの状態だと眠くなってしまうのが難点ですw
食事
Devoxxは、朝食とランチが提供されるので、会期中は夕食だけどこかで食べることを考えないといけません。
朝食はクロワッサンや甘いペストリーなど。
ランチはランチボックスとサンドウィッチが交互に出ていました。
また、飲み物は飲み放題。コーラやLiptonの甘い紅茶などが常においてありました。
問題は夕食です。
ところが、前述したように会場のKinepolis近辺には食べるところはほとんどありません。
まぁ、Kinepolis内にBurger Kingとかありましたけど...
レストランが多いのは旧市街。観光客が多いところなので、レストランも多いです。
とはいえ、人も多いので、満席で入れないところも多いです。また、コロナのせいもあってスタッフが足りてなく、席が空いていても入れないこともあります。
ほとんどの店はネットで当日でも予約できるので、予約していくのがお勧めです。
また、ほとんどの店でクレジットカードを使えますが、たまに現金しか使えない店があるので現金は持っておいた方がよいです。
さて、せっかくベルギーに行くのであれば、ベルギー料理を楽しみたいですね。
ベルギーの名物といえば
- ムール貝
- フリッツ
- クロケット
- ワッフル
とかでしょうか。
ベルギーといえば、ムール貝のワイン蒸し。バケツのような容器で大量に出てくるので、少人数の場合は注意が必要です。
フリッツはフライドポテトです。フレンチフライと呼ばれるぐらいなので、フランスと思われがちですが、実際はベルギー発祥。
街中にはフリッツ専門店もあります。
こちらもレストランで頼むと大量に出てきますw
クロケットはコロッケのこと。ベルギーというよりオランダの名物かもしれませんが、アントウェルペンはオランダ語圏ということもあり、どこでもクロケットがおいてあります。
特にエビのクロケットが多いですね。
下の写真はエビのクロケットとチーズクロケットのミックスです。
ワッフルはベルギー名物かもしれないですけど、食べるのであればブリュッセルの方がいいかも。
というより、日本のワッフルの方がおいしいですよ。
後はビールですかね。でも、私は下戸なので、よくわからないです。
ベルギーの人は、家で夕食を食べてからビールを飲むところに繰り出して、ビールだけ延々と飲むらしいです。
たしかに、テラス席でビール飲んでいる人はテーブルにビールしか置いてないんですよね。
さて、参考までに今回行ったところを載せておきます。セッションが終わった後に予約していて空いているところ優先なので、ここがお勧めというわけではないところにご注意ください。
De Sinjoor
旧市街の大聖堂の裏にあるベルギー料理の店。上にあるムール貝はここで食べました。
De Zeven Schaken
ここも旧市街にあるベルギー料理店。フリッツはここで食べました。
アントウェルペンは日本よりも寒かったので、シチューです。確かビーフシチュー。
Amadeus Antwerpen 2
スペアリブの食べ放題が売りの店。店内の雰囲気もいいです。
Bife Churrasco
遅くまでやっているアルゼンチンスタイルのステーキの店。
't Hofke
小路を入り込んだところにある隠れ家的なレストラン。有名なところらしいです。
Birtrot L'ilot
ここは旧市街ではなく、ちょっと離れたところで、基本はフレンチです。
ここはおいしかったけど、それなりに高いです。
Bizie Lizie
ここも旧市街からはちょっと離れてますが、比較的洗練されたベルギー料理でした。
ウナギのグリーンソース。これもベルギー料理として有名なんだそうです。
カフェ
Devoxx会期中はいいのですが、それ以外の日に朝ごはんを食べようとするとカフェが便利ですね。
Le Pain Quotidien
日本にも進出しているベーカリーカフェのル・パン・コティディアンは、ベルギーが本拠です。
アントウェルペンにも何店舗かあり、朝からやってます。
Koffie Dealers
パンダのマークのこじんまりしたカフェです。ベルギーはエスプレッソがメインですが、ここはドリップコーヒーも出してます。
食べものはマフィンとかの軽いものだけでした。
Caffe Mundi
旧市街の中にある人気のあるカフェ。ロースタリーもあるくらい、コーヒーにこだわっているカフェでした。
Georges Espressobar
Kinepolisに行く途中にある、こじんまりしたカフェ。
クレジットカードが使えずに、現金かQRコード決済のみなのが、残念。
Bakker Aldo
ここはカフェではなくパン屋さん。ただし、テラス席か2階のワインバーで購入したパンを食べることができます。ワインバーで食べるときはワンドリンク制です。
Lints
昔からあるベーカリーカフェらしいです。
年配の地元客が多かったですし、中心部からはちょっと離れているので、地元密着型の店なんだと思います。
Prandeo
街の中心部からDevoxx会場に行く途中にあるカフェ。
Le Royal Cafe
アントウェルペン中央駅にあるカフェ。
かつては王族の待合室に利用されていた場所らしく、内装は豪華。でも、シートはボロボロだし、メニューも古ぼけているし、イマイチ歴史や場所の優位性を活かせていない感じです。
まぁ、写真を撮るにはいいとは思いますよw
Popoff
旧市街にある、週末の夜だけやっているカフェレストラン。
レストランで食べた後に、ちょっとスイーツとかいう時にいいかもしれません。ここも現金のみ。
さて、後半ではさくらばが聴講したセッションを紹介していきます。