前回に引き続き、Devoxxの参加記です。
なお、本エントリーはJava Advent Calendarの1日目のエントリーになります。
さて、後編ではDevoxxで、さくらばが聴講したセッションの中で面白かったセッションを紹介します。私が聴講するのはJava言語に関するセッションか、JVMに関するセッションばかりで、かなり偏っています。
なお、DevoxxのセッションはすべてYoutubeで公開されいます。
本エントリーでもセッション動画のリンクを貼っておきます。
Deep Dive
まずは、1日目と2日目に行われたDeep Diveのセッションです。
You. Me. Java 21
OracleのアドボケイターのNicolai ParlogによるJava 21を俯瞰的に説明するセッションです。
NicolaiはOracleのJava公式チャネルでいろいろと動画を公開していますけど、ちょっと釣り気味なところが鼻につくのですが、聞き取りやすい英語ですし、Java 21の概要を知るにはちょうどいいと思います。
ただ、途中で休憩があるものの3時間近いので、手っ取り早くJava 21について知りたいのであれば後述するBrian Goetzのキーノートセッションの方がいいと思います。
Value types and Pattern matching: bringing your data back on stage
OracleのアドボケイターのJosé Paumardと、Universite Gustave EiffelのRemi ForaxによるProject Valhallaの紹介セッション。
JoséはJava公式チャネルでJEP Cafeの動画に出ている人ですが、もともと大学の先生だったので、2人ともアカデミック系な人です。
ValhllaではValue Typeという新しい型を導入しようとしていますが、それについてのセッションです。ただし、Value Typeは正式に導入されるまで、まだまだ紆余曲折ありそうなので、今のところはイメージでとらえるのがいいと思います。
With Java 21, Your Code Runs Even Faster. But How is that Possible?
OracleでHotSpotグループに属しているPer Minborgのセッション。
Perさん、Oracleの開発者では数少ないブログを続けてくれている方です。ブログはよく読んでいたのですが、ご本人を見たのははじめて。
JVM的にパフォーマンスのいいコードはどのように書けばいいかという話。
なお、このセッションはDeep Diveの日でしたが、Tools-in-Actionというタイプの30分のセッションです。
Keynote
Keynoteは3日目の水曜日の午前中に行われました。
やっぱり注目はBrian Goetzですね。
Java 21
JavaのチーフアーキテクトであるBrian Goetzのキーノートセッション。
Brianが今のJavaの方向性を決めているといっても過言ではないです。
Java 21を俯瞰する内容なので、キャッチアップするにはちょうどいいかもしれません。とはいうものの、Brianはものすごく早口なので、追いつくだけでもたいへんですが。
Conference Session
3日目の午後からの通常のセッションがはじまります。
Deep Diveと異なり、セッションの時間は50分です。
Game of Loom 2: life and dead(lock) if a virtual thread
Red HatでQuarkusなどを担当されているMario FuscoのVirtual Threadのセッション。
QuarkusはすでにVirtual Threadに対応していますが、実際に担当されていた方の話はなかなか説得力があります。
1つのスレッドでデッドロックになってしまうなんて事象は、はじめてききましたw
Teaching old Streams new tricks
OracleのHot Spotグループに属しているViktor KlangのStreamのセッション。
JVMではなく、ライブラリに関するセッションで、現在提案されているStreamのGathere (JEP 461)などを紹介していました。
The Panama Dojo: Black-Belt Programming with Java 21 and the FFM API
再び、Per Minborg。
FFMはForeign Function & Memory APIのことです。Java 22でやーーーーーっと正式な機能として取り込まれる予定のFFMの紹介。
後半のサンプルは、イマイチついていけなかったのですが、FFMに関する情報がまだ少ないので、貴重です。
Java Language update
Brian Goetzはキーノート以外にも複数のセッションを担当されていたのですが、最後の最後のセッションがこちら。
まだJEPとして提案していないことなどを含めて、今検討中の機能について紹介してくれました。ここまで話してくれるのはなかなかないことかもしれません。
なお、この内容については11月22日に行われたJJUGナイトセミナーで伊藤さんが紹介してくれています。
資料はこちら。
動画がすべて公開されているので、わざわざ高いお金を払って海外までカンファレンスに参加するのはなんでなんででしょうね。
生の声を集中して聞けるのは、実際にカンファレンスに参加しているからだと思うのです。動画を見るのは受動的で集中力も落ちがちじゃないですか。少なくとも私はそうです。
どこに力を置いて話しているのかとか、何を強調したいのかなど、動画だとなかなか分からなくて...
しかもセッションがこれだけ多いと、動画を探すのも一苦労です。
時間があいたら普段は聞かないようなセッションを聴講できるのも、実際にカンファレンスに参加しているからですね。ここでは紹介しませんでしたけど、Nettyのセッションとか普段は絶対に聞かないと思うのですが、なかなかおもしろかったです。
といろいろ理由書きましたけど、やっぱりカンファレンスに参加するの楽しいんですよ。
日常とは異なる環境で技術にどっぷりつかった1週間なんて、なかなかないですから。
例年、JavaOneとDevoxxが近い日程で開催されるので、来年JavaOneが復活すればJavaOneに行ってしまうかもしれません。もし、行ってみたいという方がいらっしゃったら、ぜひお声がけください。
また、海外でなくても、日本国内、たとえばJJUGのカンファレンスに参加するのでも全然かまわないので、ぜひ実際にカンファレンスに足を運んでいただけれと思っています。
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